はじめに
ここ宮古島は、年明けからず〜っと天気が悪く、なかなか天体観測ができない日々が続いていました。
しかも寒い!
「南の島だから寒くなるわけないでしょ〜」と油断していたのですが、実際には夜になると気温は 14℃前後。
昼間の20℃超えとの寒暖差もあって、薄いタオルケットだけでは耐えられず……年明け早々 布団を購入してしまいました。
おかげで冬の宮古島でも快適に睡眠できます(笑)
そんな中、ようやく訪れた貴重な晴れ間。
今年の撮り初めは 1月9日。
いつもの漁港の撮影地に着き、まずは空に向かって合掌。
「今年もよろしくお願いします」と小さく挨拶して撮影スタートです。

撮影の状況
この日は 月が0時頃に昇る予報だったので、それまでは ノーフィルター(No Filter)、
月が出てからは Haフィルター主体で露光を重ねる計画にしました。
狙ったのは――
神がかった造形美を持つ『勾玉星雲(IC405)』周辺。
途中、雲に遮られてヒヤヒヤしましたが、なんとか 約3時間ほど撮影を継続することができました。




星雲の解説
今回撮影した領域は、ぎょしゃ座の代表的な散光星雲が集まる、とても賑やかなエリアです。
写真内には以下のような星雲が写り込んでいます:
🔥 IC405 – 勾玉星雲(Flaming Star Nebula)
・ぎょしゃ座の恒星 AE Aurigae(AEぎょしゃ座) の強烈な紫外線で輝く散光星雲。
・名前の由来は、赤く湾曲した姿が 「勾玉(まがたま)」に見えるところから。
・星雲の一部は 反射星雲(青)、一部は 散光星雲(赤)が混在し、非常に複雑で美しい構造。
・AE Aur は元々オリオン大星雲出身とされる流れ星(Runaway star)。
🔥 IC410 – オタマジャクシ星雲
・IC405の南側に位置する大きな散光星雲。
・中心の星団 NGC1893 が周囲のガスを照らし、彫刻のような構造を作り出している。
・特に有名なのが、先端が太く尾が伸びる “オタマジャクシ”状の濃いガス雲。
・この彫刻的な形は、星団から吹き出す強い恒星風によって作られたもの。
🔥 Sh2-230 / Sh2-236 などの分子雲・HII領域
・IC405とIC410の周辺には、非常に淡い水素ガスが広がっている。
・広角で長時間露光すると、背景に モヤモヤとした赤い広がりが写り始める。
・Sh2-236 は IC410一帯を含む巨大HII領域で、今回の写真の赤い輝きの源。
🔥 LBN / LDN の暗黒星雲
・LBN(Lynds Bright Nebula)
・LDN(Lynds Dark Nebula)
としてカタログ化された暗黒帯が多数存在。
特にIC410の内部にある黒い筋は、星雲の立体感を強調してくれる重要なアクセント。
まとめ
年明けからずっと天気に恵まれなかった宮古島ですが、ようやく撮影できた今年の “撮り初め”。
久しぶりにじっくり星空と向き合うことができて、心がスッと軽くなりました。
IC405・IC410周辺は、淡いガスの広がり、暗黒帯、反射成分、Hα成分……
まさに「天体写真の楽園」といえるほど情報量の多い領域です。
今年も撮影・画像処理の試行錯誤を楽しみながら、星空の魅力を伝えていきます。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


コメント