星降る場所を求めて

🌙 来間島でレモン彗星を追って——雲を祈りで吹き飛ばした夜

10月30日(木)
今日の昼間は久しぶりにいい天気になりました。
「これはチャンスかも!」と思いながら、ずっと気になっていたレモン彗星(C/2023 A3)のことが頭をよぎります。
最近はXでも尾が長く伸びた写真をよく見かけていて、「いつか自分の目でも見てみたいなぁ」と思っていました。

仕事を早めに切り上げ、機材を車に積み込み、夕日がきれいに見える来間島へ向かいました。


日の入りは18時過ぎ。
「19時からの1時間が勝負かな」と計画を立てていたところ、同僚から突然メッセージが入りました。
「どこにいるの〜? 彗星見るんでしょう!」「いきまーす!」
まさかの展開(笑)
いつものひとり撮影ミッションが、一気にプチ観望会ミッションに変わりました。

少しずつ暗くなりはじめたころ、空には厚い雲が広がっていました。
その間に、カメラを冷却しながらピント合わせ、ポーラーアライメント、ガイド調整を行って準備を進めていました。
しばらくすると、同僚が子どもを連れて登場。
なかなか晴れない空を見上げながら、みんな心のなかで「雲よどいておくれ〜ほにゃらら〜ありゃりゃ〜」と意味不明なお祈りタイム(笑)

すると、本当に雲が流れて晴れ間が見えてきました。
おぉ〜!まさか本当に晴れるとは。

撮影:iPhone

望遠鏡をオートランでセットし、スマホで位置を確認しながら双眼鏡をのぞいてみました。
かすかではあるけれど、スッと伸びる尾が確認できました。
大人たちは「おぉ〜見えるね!」とテンションが上がりますが、子どもには少し難しそう。
星の位置を一緒に確認しながら、「ここだよ、もうちょっと上」と教えていると、

「見えた〜!ぼんやりしてるけど、オッポが見える〜!」

その声を聞いた瞬間、心の中で思わずガッツポーズ。
今日いちばんのごちそうは、この子の「見えた!」のひとことでした。
その感動を一緒に味わえたことが、本当にうれしかったです。

・・・子供のことに気を取られてカメラは放置してしまったぁw・・・

撮影:iPhone 中央ちょっと下に彗星!

帰宅後、すぐに画像処理を始めました。
途中で雲がかかったせいで星の流れがちょっとおかしいですが、それもまたライブ感があって悪くないなと思いました。

レモン彗星 FRA600 ASI6200MCPro FullSize Gain100 0℃ NoFilter 39x30s PixInsight

このレモン彗星が次に地球へ戻ってくるのは、およそ1350年後。
その頃には、未来の誰かが同じ空を見上げて「昔の人も見たんだなぁ」と思いながら観測しているのかもしれません。
そんなことを想像すると、なんだかロマンを感じてしまいます。


🌠 まとめ
久しぶりに晴れた宮古島の夜。
思いがけず始まった小さな観望会で、子どもの「見えた!」という笑顔に立ち会えたことが何よりの収穫でした。
この瞬間があったからこそ、今日の空がいっそう特別に感じました。
またいつか、こんな夜に出会えるといいなぁ〜と思います。

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