星降る場所を求めて

11-1 Image Registration

項目名設定値(例)意味・役割基本方針・使いどころ
Pixel interpolationAuto位置合わせ時の画素補間方式を指定Auto推奨。WBPPが最適な補間方式を自動選択
Clamping threshold0.30補間時に発生する異常な輝度値(リンギング等)を抑制デフォルト維持でOK。下げると安全寄り
Maximum stars<Auto>位置合わせに使用する星の最大数Auto推奨。明るい星が多い領域でも安定
長焦点で星が少ない場合
20〜50
Distortion correctionOFF光学歪み(広角・魚眼など)を補正通常の望遠鏡撮影ではOFF
Maximum spline points4000(無効)歪み補正時の制御点数Distortion correction OFF時は使用されない
Rigid transformationsOFF回転・平行移動のみで位置合わせ通常はOFF。特殊用途向け
Detection scales5星検出に使うマルチスケール数デフォルトで十分。変更不要
Minimum structure size<Auto>星と認識する最小構造サイズAuto推奨
Hot pixel removal1星検出前にホットピクセルを除去デフォルトでOK
Noise reduction<Disabled>星検出前のノイズ低減処理通常は無効のままでOK
長焦点の場合 1
Sensitivity0.50星検出の全体感度デフォルト維持が安定
Peak response0.50星ピークの強調度触らなくてOK
Bright threshold3.00明るすぎる構造を星として扱うかの閾値デフォルト推奨
Maximum distortion0.60許容される最大変形量通常変更不要
Allow clustered sourcesOFF密集星域での星検出を許可通常OFF
Use triangle similarityOFF三角形類似性による一致判定通常OFF

Image Registration の考え方

  • WBPPでは Image Registrationは「触らない前提」で完成度が高い
  • Auto設定が非常に優秀で、通常のDeep Sky撮影では最適解
  • トラブルが出た場合のみ個別調整を検討する段階

👉 基本方針

「星の位置合わせはWBPPに任せる。迷ったらデフォルト。」

Pixel interpolation(画像補間)とは?

Image Registration では、
位置合わせの際に「画素が存在しない位置の値」を計算で補間します。
このときに使われる計算方法が Pixel interpolation です。

簡単に言うと、

星を動かしたとき
「新しい場所の明るさをどう計算するか?」

を決める項目です。

Pixel interpolation 一覧と特徴

■ 各方式の比較表

方式特徴メリットデメリット使いどころ
Nearest Neighbor最も単純最速・計算誤差なしギザギザ・荒れるほぼ使わない
Bilinear周囲4画素で補間軽い星が甘くなる速度重視時
Bicubic Spline滑らか自然な見た目やや甘い一般用途
Bicubic B-Splineより平滑ノイズ抑制解像感低下低S/N時
Lanczos-3高解像シャープリング出やすいバランス型
Lanczos-4高解像星が締まるやや計算重い高品質向け
Lanczos-5最高解像細部保持リング注意短焦点・良シーイング
Mitchell-Netravali折衷型破綻しにくい無難万能型
Catmull-Rom Splineシャープ星が立つノイズ強調S/N良好時
Cubic B-Spline Filter平滑ノイズに強い甘いノイズ多い時
Auto自動選択失敗しにくい制御できないWBPP推奨

WBPPでのおすすめ設定

■ 基本方針

撮影条件推奨設定
通常(ほとんどのケース)Auto
長焦点・星が少ないLanczos-3 / 4
短焦点・高S/NLanczos-4 / 5
ノイズ多めMitchell-Netravali
テスト・比較明示指定

👉 WBPPでは基本 Auto でOK
👉 画質を詰めたいときだけ手動指定

WBPPの Auto は、

  • 画像サイズ
  • スケール
  • 星の検出状況

を見て、破綻しにくい方式を選びます。

そのため、

  • 星が壊れる
  • 変なリングが出る

といった事故が起きにくい設計です。

勘違い実際は
Lanczos-5が常に最強条件次第でリングが出る
補間で解像度が上がる情報は増えない
シャープ=良いノイズも増える

実践的まとめ

Pixel interpolation は、Image Registration 時に
画素値をどのように再計算するかを決める重要な項目です。

WBPPでは「Auto」を選ぶことで、
画像条件に応じた安全な補間方式が自動的に選択されるため、
通常は細かな指定を行う必要はありません。

長焦点撮影などで星数が少ない場合や、
解像感を意識した仕上げを行いたい場合にのみ、
Lanczos 系を明示的に指定すると効果が出ることがあります。

▶ WBPP Lightsの全体解説

▶ Local Normalizationの役割と設定

▶ Image Integrationの考え方

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