9月28日(土)曇のち晴れ
観測地の選定
今日は、いつもの土曜日の観望会の後に佐賀県の天山登山口で天体観測を行いました。天山は標高約1000mで、登山口の標高が890m。ライトな登山が楽しめる場所です。気象において九州の南東に熱帯低気圧が停滞していたため、少しでも晴れ間を探し、九州北西部の天山を選びました。現場に到着したのは23時。途中、ウサギやイタチ、イノシシに出会い、自然の豊かさを感じつつ、簡易ベッドで寝るのが少し怖くなる夜でしたw
観測の目的
今回の観測の目的は、ベランダでバローを使ってオリオン座のトラペジウムを撮影した際にその構造に興味を持ったことから、HOOでの撮影に挑戦することでした。
次々と発生するトラブル
観測中にはトラブルが続出。最初は、フィルターをつけるとプレートソルブが機能しなくなる問題が発生しました。見え方が違うため仕方ないと納得しましたが、さらにフォーカサーが動かなくなるトラブルも発生。程よい明るさの星を導入したところ、フォーカサーは復活しましたが、煩雑な手順に疲れを感じました。
その後、トラペジウムの導入に成功し、ライブスタックで観察しようとしたものの、スタックが毎回無視される問題が発生。プレビューでは問題なく写っていたため、原因を探りましたが、ガイドエラーが関係しているかもしれません。
撮影と後処理の苦労
時間がなかったため、強引にAutoRunで撮影を続行しましたが、この決断が後に苦労を引き起こしました。自宅に戻り、PixInsightで処理を試みましたが、WBPPがうまく機能せず、プレートソルブエラーが続出。結果として、流れた画像しか得られませんでした。最終的には、Sirilを使ってやっとまともな画像を得ることができました。
成果と考察
今回の成果は、バローを使うことで新たな視点で天体を観察できたことです。トラペジウムでは、8つある恒星のうち6つを確認することができ、今後さらに露光を伸ばせば全てを確認できるかもしれません。また、紫外線による励起部分が美しく観察できた点も大きな発見でした。
一方、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した「爆発の指」を捉えることはできませんでした。モノクロカメラと近赤外線フィルターを使用する必要があると感じています。
今後の展望
今回の観測で、バローを使うことで今まで見えなかった世界が確認できることが大きな成果でした。特に、トラペジウムの恒星の構造や、紫外線で励起された部分を詳細に観察できたことが印象的です。バローは特定の天体を観察する際に非常に有効であることがわかりました。今後は、このようなツールを状況に応じて効果的に使い分けることで、さらに精度の高い観測を目指していきます。
また、今回のトラブル対応から学んだ点も多く、プレートソルブやフォーカサー、ガイドエラーへの対策を強化し、撮影プロセスをスムーズに進めるための準備を整えたいと思います。
引き続き、観測の精度を向上させるとともに、トラブル対応力も高めていくことで、より質の高い天体写真を撮影できるように努力していこうと思います。
おまけ
この日の朝、「C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS)彗星」を捉えることができました。友人は、隣で次々にシャッターを切っていた一方で、私の方はカメラのプレビューでうまく見えず、終始捜索しながらの撮影、少しがっかりしていました。しかし、自宅に帰ってパソコンで画像をじっくり確認してみると、ちゃんと写っているではありませんか!嬉しくてたまりませんでした。これで記念撮影もコンプリートですw
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