星降る場所を求めて

与那覇前浜港で天の川とバタフライ星雲とM2に挑戦

9月14日(日)観測記録

この日は、少し気分を変えて「いつもとは違う景色で天の川を撮ってみたい」と思い、与那覇前浜港に向かいました。
宮古島の中でも特に透明度の高い海と白い砂浜で知られる場所ですが、私のお気に入りはそこから眺める来間島へ続く橋。夕暮れ時にシルエットとして浮かび上がる姿はとても美しく、何度訪れても飽きないスポットです。

隣のビーチでは観光客が夕日を眺めて賑やかに過ごしていましたが、私は機材を準備しながら、刻一刻と表情を変える空を楽しみました。水平線へと沈みゆく太陽をカメラに収め、そのまま夜の観測モードへ。

撮影:Mavic3Cine

やがて頭上には、見事な天の川が姿を現しました。時折流れる流星が、まるで夜空のアクセントのように輝きます。潮風に吹かれながら、その光景にしばし心を奪われ、「やっぱり宮古島の夜空は特別だな」と改めて実感しました。

来間大橋と天の川 撮影:Nikon z7ii 25mm iso3200 f/4 30s

惑星状星雲 NGC6302(バタフライ星雲)

望遠鏡では、前回に続いてNGC6302(通称バタフライ星雲/バグ星雲)の増し撮りに挑戦。
さそり座が沈むまでの約2時間で、先日と合わせて39枚のフレームを確保できました。
ただし使えたのは22枚ほどで、目標の3時間露光には届かず・・・それでも待ちきれずに画像処理を決行!

【HOO】NGC6302(バタフライ星雲、バグ星雲)EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ Filter:D1 22x300s PixInsight1.9.x

結果は、上下に伸びる青い翼がしっかりと現れ、内部のディテールもある程度表現できました。
やはり惑星状星雲は処理が難しく、オリオン大星雲と同じく中心部の白飛びを防ぐのに苦戦します。
また来年、さそり座の季節に再挑戦してみたいと思います。


球状星団 M2とN体シミュレーション

月が昇るまで時間があったので、天頂付近の球状星団M2を撮影しました。
最近、N体シミュレーションを勉強していたこともあり、球状星団の動きに興味津々。
シミュレーションで星々の複雑な軌跡を知ると、「なるほど、こういう動きをしているのか!」と驚かされます。

その気づきを画像処理にも活かし、「星の粒々感」と「立体感」を意識して仕上げてみました。

当初は、8x300sで画像処理を進めたのですが、星がただただ飽和するだけなので、5分1枚だけを処理しました。

M2 EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFliter 1x300s PixInsight1.9.x

宇宙のダイナミックさに、改めて感動させられるひとときでした。


突然のスコール!

「月が昇るまで粘ろう」と思っていた矢先、雨雲レーダーに怪しい影・・・
1時間後には降り出しそうだったので、急いでフラットとダークの撮影へ。

ところが、ダークを撮影している最中に突然のスコール!
強風と大粒の雨が一気に襲来し、機材をブルーシートで覆って必死に押さえるのがやっとでした。
雨の中、南の空を見渡すと星が見えてる〜すぐ止むなと感じました。

予想通り幸い5分ほどで雨はやみ、機材も無事。
私はびしょ濡れになりましたが、備えていた着替えでリカバリーできました。
何より驚いたのは、雨の最中でもしっかりダーク撮影を続けてくれた機材の頼もしさです。


まとめ

今回の観測は、「夕日 → 天の川 → 惑星状星雲 → 球状星団 → スコール」と盛りだくさんの展開でした。
与那覇前浜港という特別なロケーションで、昼から夜へと移り変わる空の表情を堪能できたことは大きな収穫です。夕暮れの美しさに始まり、流れ星を伴った天の川、そして望遠鏡でとらえたNGC6302やM2。それぞれが違った宇宙の顔を見せてくれました。

一方で突然のスコールに見舞われ、自然の厳しさも体感することに。準備していた着替えやブルーシートに救われましたが、やはり離島観測では「備えの大切さ」を痛感しました。

それでも最後に残ったのは、やはり「宇宙はすごい!」という純粋な感動。
ほんの数時間でも、これほど多彩でドラマチックな体験を与えてくれる夜空に、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

挑戦は尽きませんが、その一歩一歩がまた新しい発見につながるのだと信じています。

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