星降る場所を求めて

漁港で出会いと星空観測|iPhoneからEdgeHD800まで

9月20日(土)

今日もやっぱり、いつもの漁港へ。
日が暮れてもしつこい蒸し暑さがまとわりつき、機材を気温に慣らすよりも、まずは自分の身体をこの暑さに慣らす方が大切に感じる。そんなゆっくりとした準備の中で、今日の観測が始まった。

実は今日は少し新しい試みをしたい気分。スマホ用の三脚ホルダーを新調して、久々にiPhoneでも星空撮影をしてみようと思って持ち込んだのだ。
思い返すと最後にスマホで真剣に星空を撮ったのは2022年の春。福岡の糸島・立石山で夕日を眺め、下山途中に迷子になり、辿り着いた夜空に輝くオリオン座をスマホのナイトモードで撮影したとき以来だ。あの頃から本格的に望遠鏡撮影へとのめり込んでいった。
今日はその原点を思い出しながら、「今日の出会い」「iPhoneギャラリー」「Nikon Z7IIギャラリー」「EdgeHD800ギャラリー」 の4本柱で記録を残していこうと思う。


1.今日の出会い

ボッチ観測の楽しみのひとつは「人との不意の出会い」。今日もにぎやかな人間模様があった。

一組目:若いカップル
突然「星空写真の方ですか?」と声をかけられてびっくり。どうやら星空撮影のイベントか記念写真の業者を探していたらしい。場所を案内したものの、結局「いないんですよ〜」と戻ってきた。泣きそうな顔に「撮ってあげようか」と言いそうになったが、さすがに写真家の商売を邪魔はできず。もう一度場所を案内すると、しばらくして撮影の灯りが見えたので、無事合流できたようでホッとした。

二組目:青年3人組
大声とともに現れたかと思えば、なんと一人が全裸で真っ暗な海に飛び込んだ!残りの二人は爆笑、私は心臓バクバク。「溺れたら助ける?119?110?118?」と緊急番号を頭で繰り返しながらモニターしていた。しばらくして無事に陸へ上がり、ほっと胸を撫でおろした瞬間、思わず「心配かけやがって」とぼやいてしまった。

三組目:家族連れ
祖父母・夫婦・子どもを連れた一家がやってきた。「星がきれいですね〜」と声をかけられ、話が盛り上がるうちに「記念に残せたら」と言われたので、スマホ撮影をお手伝いすることに。三脚を貸し、ナイトモードの撮り方をレクチャーし、さらに天の川を背景にした家族写真にも挑戦。
露光中に別のスマホで一瞬ライトを当てる――理論上できると思っていた方法を実践したら、見事に成功!こちらまで感動してしまった。これもまた、観測地での出会いの醍醐味だ。


2.iPhoneギャラリー

新調したホルダーでiPhoneを三脚固定し、ナイトモード30秒露光で撮影。
「ここまで写るのか」と驚くほどの仕上がりで、ちょっとしたスナップには十分すぎる。
スマホひとつで宇宙の広大さに触れられる時代。もっと多くの人がこうして星空を楽しめば、平和な世界につながるのでは・・・と密かに願う

iPhone撮影
天の川 iPhone15Pro
iPhone撮影
天の川 iPhone15Pro
iPhone撮影
夏の大三角形 iPhone15Pro
iPhone撮影
M31,M33,ハート星雲周辺?! iPhone15Pro
iPhone撮影
すばるとオリオン iPhone15Pro

3.Nikon Z7II ギャラリー

さすがフルサイズミラーレス。iPhoneとは比べ物にならないディテールが描写される。
こちらはポータブル赤道儀を使用して30秒露光。機材の差がそのまま画の差となる。

天の川 Nikon z7ii 24mm iso3200 f/4 30s
Annotated
M31周辺 Nikon z7ii 24mm iso3200 f/4 30s

4.EdgeHD800 ギャラリー

長焦点ならではの世界を存分に楽しんだ。

M7 EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFilter 1x300s PixInsight

M7というより、そのバックの小さい星がどう写るのかが気になって撮影していみた。つぶつぶ感がおもろw

M20 EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFilter 4x300s PixInsight

以前FRA600で撮影して大きく拡大して満足していたが、やっぱり長焦点距離だと迫力が違います~これはこれで好きですなぁ

土星 EdgeHD800+Tele Vue x5 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFilter 30s ASIAir Stack

今回は、EdgeHD800 2000mm焦点距離にTeleVue x5のバローを取り付けて撮影、  30秒ビデオ撮影してASiAirのスタック機能で処理した。それにしても串刺し団子ですねぇ~

NGC246 EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFilter 3x300s PixInsight

私の中ではちょっとマイナーな惑星状星雲 NGC246 くじら座の方角に位置します。次の撮影対象まで時間があったのでちょっと寄り道。
惑星状星雲って結構明るいから中の細部までディテールを出すとなると難しいんです。惑星状星雲観測対策を現在いろいろ試行錯誤中~

M1 EdgeHD800 ASI6200MCPro APS-C Gain100 0℃ NoFilter 18x300s PixInsight

ようやく撮影できた王道の観測対象の星雲。今回は、NoFilter で撮影しました。雲に結構遮られて18x300sしか撮影できず、あまりディテールを際立たせることができなかった~次は撮り増しするか、Filterを使用するか検討中~あ~楽しみだ!

まとめ

この夜は、偶然の出会いと人の温かさ、そしてスマホから高性能望遠鏡まで、幅広い機材で宇宙を堪能することができました。
それぞれの場面にはドラマがあり、驚きや心配、そして感動が連続して押し寄せてきて、まるで一晩が小さな物語のようでした。

iPhoneのナイトモードで写し出された手軽な星空は、誰にでも宇宙を身近にしてくれる。Nikon Z7IIで切り取った夜空は、ディテールの美しさを再認識させてくれる。そしてEdgeHD800が見せてくれた深宇宙の姿は、やはり「望遠鏡ならではの迫力と感動」がある。
こうして並べてみると、どの機材にもそれぞれの良さがあって、立場や視点が変われば星空の楽しみ方も無限に広がるのだと実感しました。

そして何よりも、観測地での「出会い」が忘れられません。星空をきっかけに、知らない人同士が言葉を交わし、笑顔を共有し、記念の一枚に感動する――そんな瞬間こそ、私にとっては天体観測の一番のご褒美です。

次回はまたどんな夜になるのか、どんな人と出会い、どんな星々に出会えるのか。
空を見上げるたびに、新しい発見と小さな奇跡が待っている。そう思うと、この趣味を続けていく喜びがますます大きくなります。

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