星降る場所を求めて

WR134「紅の海に浮かぶ蒼き泡」

サイトロンジャパンフォトコンテスト2025 入選!

11月——いよいよ公式に発表された日。
事前にご連絡をいただいてはいましたが、改めてページで自分の作品を目にした瞬間、胸が熱くなりました。
WR134「紅の海に浮かぶ蒼き泡」——この名前が公式サイトに並んでいるのを見て、静かに喜びが込み上げてきました。

この作品は、宮古島での挑戦の記録でもあり、粘りの結晶でもあります。
島の天気はいまだ読めず、雲が流れ込んだかと思えば、急にスコールが降る——
そんな不安定な天候の中、少しの晴れ間を信じて機材を展開した夜々でした。

WR134は、はくちょう座にあるウォルフ・ライエ星。
強烈な恒星風を吹き出し、周囲のガスに衝撃波を生み出す特別な星です。
その強い紫外線によって、まわりの水素ガスが電離し、再結合の過程でHαの赤い光を放ちます。

はくちょう座一帯は、もともと水素雲が濃く広がる天の川の一部。
その中でWR134の恒星風が泡のような衝撃波を作り出し、内側にはOIIIの蒼が、外側にはHaの紅が浮かび上がります。
この星雲が「紅の海に浮かぶ蒼き泡」と見えるのは、まさにその構造ゆえなのです。

PixInsightでの処理は、特にOIIIの淡い構造を引き出すことにこだわりました。
Haの力強い輝きの中に、OIIIの静かな蒼が滲む——
そのバランスを何度も微調整しながら、夜中にモニターの前でため息をついたことも数知れません。

そして、そんな努力が形となり、今回このような形で評価していただけたこと。
素直に嬉しく、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

これまで九州でお世話になった皆さん、そしてSNSを通じて応援してくださったフォロワーの皆さん。
その温かい励ましや言葉の一つひとつが、撮影を続ける大きな原動力になりました。
この結果は、私ひとりの力ではなく、たくさんの方々に支えられて生まれたものだと感じています。

宮古島の夜空の下で、孤独に向き合ったあの時間が報われた気がしました。
これからも、島の空が見せてくれる奇跡の瞬間を、ひとつひとつ丁寧に切り取っていきたいと思います。


🌌 あらためて

これまで、身バレしないようにひっそりと「たーくん」として活動してきましたが、今回の入選を機に、本名「坂田 正」としても堂々と名乗っていこうと思います。
撮影も処理も、そして発信も、すべてが自分の大切な表現のひとつ。
これからも、「星降る場所を求めて」の名の通り、心に響く星空を追いかけ続けます。


WR134 FRA600 ASI6200MCPro FullSize Gain100 0℃ NoFilter:65x300s AskerColorMagic D1:185x300s PixInsight

🌟「紅の海に浮かぶ蒼き泡」
サイトロンジャパンフォトコンテスト2025 入賞作品一覧はこちら

作品展のお知らせ

「サイトロンジャパン天体写真コンテスト2025 受賞作品展」

宮古島で撮影した「WR134 “紅の海に浮かぶ蒼き泡”」が入選したコンテストの展示会が、以下のように開催されます。皆さまお誘いあわせの上、ぜひ足をお運びください。
私は仕事で行くことができないのでSNS等で現地の様子を上げていただけたら幸いですw

■ 日程:2025年11月16日(日)~ 11月23日(日)
■ 時間:11:00~19:00(最終日は16:00終了)
■ 会場:ソニーストア 銀座 4階
 東京都中央区銀座五丁目 8番 1号 GINZA PLACE 4-6階
■ 入場料:無料
■ 内容:本年度「サイトロンジャパン天体写真コンテスト2025(協力:月刊天文ガイド)」の受賞作品展を開催いたします。さらに、初日11/16には月刊「星ナビ」編集部によるトークショー「空を見上げたくなる天体ショー2026」も開催されます。

サイトロンジャパン天体写真コンテスト2025受賞作品展はこちら


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