星降る場所を求めて

5 Registration Reference Image

― すべてのLightフレームの“基準”を決める ―

Registration Reference Image は、WBPPが行う位置合わせ(StarAlignment)において、「どの画像を基準にするか」を決める設定です。
この設定は、最終的な星像のシャープさや歪みの少なさに直接影響します。

ここで選ばれた1枚を基準として、他のすべてのLightフレームが位置合わせされます。

Registration Reference Image の役割

WBPPでは、

  • 各Lightフレームを
  • 1枚の基準画像に合わせて
  • 正確に重ね合わせる

という工程が自動で行われます。

このとき使われるのが Registration Reference Image です。

基準画像はなぜ必要なのか

撮影したLightフレームは、

  • ガイド誤差
  • シーイングの違い
  • わずかなフレーミングずれ

などにより、完全に同じ位置にはなっていません。

そのため、

「この1枚を正解とする」

という基準を決めたうえで、他の画像をそこに合わせる必要があります。

Mode の選択肢

Registration Reference Image には、Mode という設定項目があります。

選択できるモード

  • auto
    WBPPが自動的に、最も条件の良いLightフレームを解析して基準画像として選択します。通常はこちらを選んで問題ありません。
  • manual
    ユーザーが明示的に基準画像を指定します。構図を厳密に揃えたい場合や、特定の1枚を基準にしたい場合に使用します。

auto モードとは

auto を選択すると、WBPPが自動的に

  • 星の数
  • S/N
  • 画像品質

などを評価し、最も適した1枚を基準画像として選択 します。

基本方針

WBPPはこの自動選択で非常にうまく行ってくれます。

手動で基準画像を選ぶケース

auto が優秀とはいえ、手動で指定した方がよい場面 もあります。

代表的なケース

  • 雲や薄曇りが混ざっている夜がある
  • 明らかに写りの悪い夜が含まれている
  • 複数夜・複数構図が混在している
  • モザイク撮影を行っている

こうした場合、意図しない画像が基準に選ばれる可能性があります。

良い基準画像の条件

手動で選ぶ場合は、次のような画像が理想です。

  • 星像がシャープ
  • 星の数が多い
  • 流れやブレが少ない
  • 構図の中心が安定している

必ずしも露光が一番長い必要はありません。

基準画像は「完成度」ではない

ここでよくある誤解が、

一番きれいな画像を選ばないといけない?

という点です。

Registration Reference Image は、

  • 画質を決める
  • 最終結果を決める

ためのものではありません。

よくあるトラブルと考え方

位置合わせがうまくいかない場合

  • 星が少ない
  • 雲で星が欠けている
  • 大きくブレている

といった画像が基準に選ばれると、StarAlignment に影響が出ることがあります。

そんなときは、

  1. auto をやめて手動指定
  2. 明らかに良い1枚を選ぶ

これだけで解決するケースも多いです。

Registration Reference Image の考え方まとめ

  • 基本は auto でOK
  • 問題が出たときだけ手動指定
  • 「一番きれい」より「一番安定」

この3点を押さえておけば、ここで迷うことはほとんどありません。

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