星降る場所を求めて

11-4 Image Solver

Image Solver default parameters

この項目は、WBPP 内で Astrometric Solution(天体位置の特定) を行う際に使用される
ImageSolver のデフォルト設定です。

Image Registration が「星の並び」を使って位置合わせを行うのに対し、
Astrometric Solution は

「この画像は、空のどこを写しているか?」

を天球座標(赤経・赤緯)として特定します。

各項目の役割

■ パラメータ一覧表

項目内容通常の扱い
Right Ascension赤経(RA)基本は自動
Declination赤緯(Dec)基本は自動
Date and time観測日時FITSから取得
Focal distance焦点距離(mm)FITS or 手動
Pixel sizeピクセルサイズ(µm)FITS or 手動
Search星表検索失敗時のみ使用
Force values値を強制原則OFF

各項目の詳しい解説

● Right Ascension / Declination

画像の中心が どの天球座標か を示します。

  • WBPP では通常
    ImageSolver が自動的に推定するため
    👉 手入力は不要
  • 星が少ない場合や失敗時のみ、
    おおよその座標を入力すると成功率が上がります

● Date and time

撮影日時(UTC基準)

  • FITS ヘッダから自動取得
  • 特別な理由がなければ 変更不要

※ 惑星や高速移動天体でない限り、
 多少ズレていても影響は軽微です。

● Focal distance(焦点距離)

ImageSolver の成功率に 最も影響する項目のひとつ

  • FITS に正しく書かれていれば OK
  • Reducer / Barlow 使用時は要注意
    👉 実効焦点距離を入力

失敗時の対処例

  • 750mm → 700~800mm で再試行
  • 少し幅を持たせると解決することが多いです

● Pixel size(ピクセルサイズ)

カメラの 1 ピクセルの物理サイズ。

  • 例:ASI6200 → 3.76 µm
  • Nikon Z7II → 4.35 µm

FITS に正しく入っていない場合のみ修正します。

● Search ボタン

オンライン星表(GAIA など)を使って
強制的に位置を探索します。

  • 通常は不要
  • Astrometric Solution 失敗時の最終手段

● Force values

チェックすると、

入力した値を 絶対条件 として使用

します。

WBPPでの実践的な考え方

■ 基本方針

状況対応
普段の撮影すべて自動
星が少ない焦点距離のみ確認
ImageSolver失敗RA/Dec を大まかに入力
どうしても失敗Search 使用
勘違い実際は
座標は必ず入力自動で問題なし
日時が厳密でないとNG影響は小さい
Force values は便利危険なスイッチ

まとめ

Image Solver default parameters は、
WBPP 内で Astrometric Solution を行うための補助情報です。

通常は FITS 情報を元に自動処理されるため、
ユーザーが手動で設定する必要はほとんどありません。

星が少ない画像や、焦点距離が特殊な構成の場合のみ、
焦点距離や座標を補助的に入力すると成功率が向上します。

▶ Image Registrationの解説

▶ Lightsタブ全体の解説

▶ Pipelineタブの処理一覧

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