星降る場所を求めて

星空の旅路と角島・佐多岬の絶景:温泉、ランチ、そしてハプニング〜

9月5日(木)

8月の新月期はほとんど観測ができなかったため、今月こそはと思い、晴れ間を求めて九州を離脱しました。理由は、水蒸気が多く星がぼんやりしてしまったからです。そこで少し遠出してみることにしました。

到着したのは山口県角島。以前訪れたときは、灯台の光が陸地側も照らしていましたが、今回は海上のみを照らしていました。そのおかげで、前回よりも安定した暗さの中、撮影することができました。

撮影:Mavic3Cine

今回のターゲットは、トカゲ座にある「sh2-126」。分子雲が多い淡い星雲です。

観測プラン

要求:広範囲の淡い天体を撮影したい

計画

  1. 画角
    FRA600では収まらないので、2パネルのモザイク撮影にする。モザイク撮影では背景のムラが出ないよう、短時間で撮りたい。
  2. 露光
    FRA600にレデューサーを装着して、600mmF5.6 → 420mmF3.9。
  3. ナローバンド撮影
    通常の可視光だと背景に混ざって写らない可能性があるので、保険としてHaとO3のみを撮影。

この計画で撮影を実行しました。

やはり、撮影中は「これ本当に写ってる?」という不安ばかり。私はASIAirを使用しているので、ライブスタック機能を活用すれば合成後の状況を確認できるのですが、撮影した各フレームを優先して確認したいため、あえて使っていません。いつも思うのですが、ASIAirにマルチタスク機能があればいいのに。

1x300sの画像 星雲のかけらすらわかない 不安だらけの1枚

さて、この場所についてですが、暗さは最高。しかし、空には水蒸気が多く、天の川は見えていても星が降るような状態ではありませんでした。さらに、時折薄雲が通過していました。そのため、1パネルを多めに3時間ずつ撮影し、チェックした結果、使用できそうなのは各パネルで2時間程度でした。

撮影を終え、撤収を完了すると、朝の薄明が始まりました。次にどこに向かうか天気と相談した結果、晴れているのは…鹿児島の佐多岬、九州の最南端。行くべきか、やめるべきか、心の中で戦いが始まりましたが、せっかくの機会なのでのんびりと旅をすることに決めました。鹿児島に向かい、現地で温泉とランチを楽しみ、夜に備えることにしました。

9月6日(金)

山口県角島での撮影を終え、鹿児島県佐多岬まで移動を開始しました。車中ではひとりカラオケ大会を楽しみ、懐かしい曲を聴きながら思い出にふけっていました。

鹿児島に到着後、まずは温泉!鹿屋市串良町の温泉施設に立ち寄り、入浴料がなんと330円という安さに驚きました。最近の物価高の中で、この金額は嬉しすぎます。泉質は炭酸水素塩温泉・塩化物-ナトリウムで、肌がすべすべに〜しばし休憩し、身体も心もリフレッシュしました。

次にランチへ。美味しそうなお店がたくさんあり迷いましたが、和食屋さんを選択。定番メニューを注文したところ、驚いたのはその量。写真ではわかりにくいですが、唐揚げが乗ったお皿の長さが約25cm!大きさが伝わるかなぁ〜付け合わせのマヨは甘じょっぱく、南蛮を思わせる味付けで、うどんもコシがあり、優しいだし汁が最高でした。

温泉とランチを堪能した後は、佐多岬へ向かいます。途中の景色、特に対岸に広がる開聞岳の美しさに感動。そして、佐多岬の山道には先月の地震と台風の影響で崖から崩れてきた石が散乱していましたが、無事到着。絶景にまた感動!

佐多岬灯台  撮影:iPhone

前回訪れた時は天気が良くなかったのですが、今回はすがすがしい天気で念願の構図で撮影ができ、佐多岬灯台と開聞岳のコラボが見事に収まりました。

撮影:Mavic3Cine

夜になると、星降るような空が広がり、天の川は南から北までくっきりと見え、M31(アンドロメダ星雲)も肉眼で確認できるほどの素晴らしい条件でした。前日の失敗した写真の補填と、HaとO3の撮影を実施。やはり、良い空だと撮影結果も良く感じます。

撮影:z7ii 1x30s iso3200

観測を終え、帰ろうと車を発進させたところ、右後ろのタイヤから異音が。「ずっずっ」と音がするので停車して確認するとパンクしていました。どうやら山道で石を踏んでしまったようです。初めてJAFを呼び、何もない場所にもかかわらずすぐに来てくれました。話によると、3日前にも同じ場所で石を弾いてオイルタンクを破損し走行不能になった車があったそうです。私はただのパンクで済んでよかったと安堵しました。

JAFの提案で、福岡まで帰るため、120km北にある高速道路近くの修理店まで車を運んでもらうことに。道中、鹿児島の名所などを教えてもらい、旅気分を満喫。

道中の桜島 撮影:iPhone

修理が終わり、今日は宮崎県の日南市に行こうかと思ったのですが、さすがに3日目は疲れていたので素直に福岡に帰ることにしました。

帰りに熊本で馬刺しとお米を調達し、夜はひとりお疲れ様会を開催・・・しかし、すぐにベッドに入り、あっという間に寝てしまいました。

そして本命の画像処理へ。モザイク処理前の仮合わせで確認するとずれている?モザイク設定はちゃんとしたはずなのに、どこかでずれたようです。仕方ないのでこのまま処理を進めました。

モザイクの合成にはAstroPixelProcessorを使用。使い方はまた別の記事で紹介しますが、期待通りの結果が得られました。AstroPixelProcessor、いい仕事してくれますね!

sh2-126付近 Asker FRA600 Reducerx0.7 ASI6200MCPro FullSize 2Panel x 36x300s Gain100 0℃
PixInsight and AstroPixelProcessor

しかし、RGBだけでは少し物足りない…。ということで、保険として撮影していたHaとO3のナローバンドデータをブレンドしました。やっと完成!

sh2-126付近 Asker FRA600 Reducerx0.7 ASI6200MCPro FullSize 2Panelx36x300s 2PanelxD1:24x300s Gain100 0℃
PixInsight and AstroPixelProcessor

この領域には多くの銀河が写り込み、興味深い構造がたくさん見られます。特に右上に見える散開星団のようなものが2つあり、それぞれHaの輝線を発しているのが気になります。分子雲はHaより手前にあるのか?など、疑問が尽きません。

皆さんにも見ていただきたいので、上の画像をダウンロードできるリンクを↓に用意しました。ぜひダウンロードしてご覧ください!感動モノですよw

今回は画角の設定で失敗してしまったので、次回、再チャレンジしたいと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回への教訓と課題

  1. モザイク撮影のズレ解消
  2. 画角設定に余裕を持たせること
  3. 現地で編集できるPCを持参すること

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