星降る場所を求めて

なぜSHOで撮影するか考察してみた

 自分が天体を観測していて、どうして?なぜ?が尽きない。その一つが星や星雲の構造や状態。なぜ星が光るの?星雲は輝いてるの?後どうして輝線を観測するの?
 まずは、物質の構造から変化、そして宇宙の構造をおさらいをして、観測手段であるSHO撮影について考察をしてみた。

物質の構造

 まずは、物質の構造からおさらいしてみたいと思う。大きい順番に列挙してみた。
1 分子
  物質を構成する原子の集まり(例:水 H₂O)
2 原子
  原子核の周りを電子が存在している状態
3 原子核
  陽子と中性子の集まりで構成された状態
4 陽子・中性子
  素粒子が3つ集まって一つの陽子や中性子を構成している
5 素粒子
  素粒子は、「物質を作る物質粒子」「力を伝えるゲージ粒子」「質量を与えるヒッグス粒子」
 の3種類の特徴を持つグループが確認されている。さらにそれぞれの素粒子に対して、電気の
 符号が反対の性質を持つ反粒子と呼ばれる粒子も存在が確認できている。
(1)物質を作る物質粒子
  ア クォーク  アップクォーク|チャームクォーク |トップクォーク
          ダウンクォーク|ストレンジクォーク|ボトムクォーク
  イ レプトン  電子     |ミューオン    |タウ
          eニュートリノ|μニュートリノ  |τニュートリノ
(2)力を与えるゲージ粒子
   グルーオン|光子|wボゾン|zボゾン
(3)質量を与えるヒッグス粒子
   ヒッグス
 ※素粒子の詳しくは、こちらを参考にしてもらいたい→ハドロン宇宙国際研究センター

物質の変化

 物質がそれ自身、あるいは他の物質と相互に原子、原子団の組み換えを行い、新たな物質を生成する変化を化学反応というが、原子そのものが変化することを核融合反応、または核分裂反応という。(1)核融合反応
   例えば、水素のような軽い原子がもう1つの水素の原子とぶつかって1個のもう少し重たい原子
  ができる反応。またこのとき1つになった原子はごくわずかな質量を失う代わりに、非常に大きな
  エネルギーを生み出す。
(2)核分裂反応
   原子核とほかの粒子(例えば原子核、中性子、陽子、光子等)との衝突によって起こる原子核
  反応(散乱、吸収、分裂等)の1つが核分裂反応。

宇宙における原子の変化

 宇宙空間の約75%の水素原子が存在する。その水素が星間ガスにおいて密度が高い部分が出来るとこの部分で重力が強くなり圧力が上がる。すると温度が高まり核融合が始まる。

 上のグラフでわかるように、水素(H)からヘリウム(He)へ核融合すると傾斜が大きいのでエネルギーを大量に放出する。そして、鉄(Fe)まで核融合すると安定し核融合は停止する。鉄以降の原子に核融合するためには外部からエネルギーを与えないと新たな原子ができないということになる。
 先程の星間ガスにおいて、質量による重力と核融合によるガスの膨張する力のつりあいが発生して恒星が誕生する。その後、長い年月をかけて核融合エネルギーを放出していく星は、質量をエネルギーに転換していくため次第に軽くなる。それは、重力が弱くなり星が膨張するということでもある。
 その後、燃料がなくなった星は冷却を始める。そうすると、外向きの力がなくなるので星は縮み始めることとなる。いわゆる重力崩壊の始まりである。どこまで収縮するかは、誕生したときの星のおおきさによって変わってくる。
(1)星の質量が太陽の8倍以下
   星はゆっくり冷却し、白色矮星となる。また、白色矮星はその後しだいに冷えていくのでその後
  だんだん暗くなっていき、黒色矮星となる。
(2)星の質量が太陽の8倍以上ある場合
   重力崩壊の際に爆発を伴うことがあり、超新星爆発という。また、この爆発エネルギーによって
  鉄(Fe)より大きい重元素の核融合反応も起こりうる。自分たちの身の回りにある銅や銀等は、超
  新星の残骸が由来とされている。
(3)星の質量が太陽の30倍以下の場合
   重力崩壊とともに急激に潰れていき、中心部の鉄の原子は押しつぶされて電子と陽子が合体して
  電気的に中性子になる。中性子だけの塊となり、中性子星になる。半径10km程に太陽程度の質量
  が詰め込まれた高密度な星となる。
(3)さらに大きい星
   ブラックホールとなり重力が大きすげて光ですら脱出することができない。すなわち直接見るこ
  とができない。

宇宙の状態を観測する方法は?

 宇宙を観測する方法としては、可視による観測、電波による観測しか私は知らない。アマチュアの観測で手っ取り早いのは、地球の大気の影響がない波長の可視光線を観測することであろう。ただ、望遠鏡を覗いて可視光線を観測してもそこに存在していることと色で温度だけしか判別できない。
 これまでの説明で星は原子が核融合することで生成されていることは解った。また、原子は変化する時にイオン化し、その際に輝線を発する。その光は、夜に星が見えることで分かると思うがしっかりと地上まで届いているのである。ただし、月明かりや光害で空のバックグラウンドが輝いていると見えにくいが、観測する波長を絞ることで観測は可能である。しかし、後の画像処理でバックグラウンド処理が大変である。また、観測データを可視化するにはRGBの三色にまとめた方が表現しやすいであろうと考えた。
 それでは、水素から鉄までの輝線を表にして観測に有効な原子を3つに絞ってみようと思う。

輝線波長表

 輝線波長表を見て思ったのが、地上で使われているガス入りランプの明かりとかも影響するので除外していくと、星の状況を観測する上で有効な輝線は、水素、ヘリウム、リチウム、窒素、酸素、硫黄、カルシウム〜鉄となる。もう少し掘り下げてみると、以下の表となる。

元素名判定
水素有効
ヘリウムネオン、ナトリウムに波長が近いので除外
リチウム質量が4の倍数でないので除外※1
窒素質量が4の倍数でないので除外※1
酸素有効
硫黄有効
カルシウム〜鉄空間に存在量が少ないため除外
※1:質量数4の原子核ヘリウムが核融合して形成された原子(質量が4の倍数)が存在度が大きい

 ということで、水素、酸素、硫黄の輝線が効率よく宇宙の空間の状態を観測することができるということがわかりました。

 あ〜とりあえず、スッキリした〜w
 今回の感想として、結構宇宙の構造にニュートリノが関与しているのではないかと思う。電荷もなく見えない、物質を通過していく等々、なんか夢の物質ですね。

 これは、あくまでも個人的な考察です。間違いが多々あると思います。コメント欄にてご指導御鞭撻の程どうぞよろしくお願いいたします。

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