星降る場所を求めて

カモメ星雲を追いかけて:IC2177 天体の魅力

IC2177 カモメ星雲:もうひとつの作品を公開

先日撮影した天体写真から、もうひとつの作品を公開します。今回は「IC2177 Seagull Nebula(カモメ星雲)」です!

撮影について

撮影を進めるうちに痛感したのは、露光時間の不足でした。その結果、迫力に欠ける「ひょろりとしたカモメ」に仕上がってしまいました。今回は画角を考慮して2パネルのモザイク構成にしましたが、これが露光時間をさらに圧迫する結果となったのも一因です。

それでも、観察したい細部は意外としっかり写っていたので、せっかくだから公開することにしました。

全体像の特徴

写真全体を眺めると、赤、青白、オレンジの恒星が美しく描き出されているのが確認できます。この色彩のコントラストは、空間の広がりを感じさせ、星雲全体に生命感を与えてくれます。

IC2177(Seagull Nebula) FRA600 ASI6200MCPro Gain100 -10℃ NoFilter 2Panel 30x300s PixInsight

細部の観察

以下に、それぞれの領域の特徴を詳しく見ていきましょう。

Sh2-292

暗黒星雲が入り込んだエリアで、どこか半笑いの表情をしているような姿がユニーク。ついこちらも微笑んでしまいます。

NGC2327, HD53179

<NGC2327>
白い部分が反射星雲としてよく見えます。また、周囲のHαの赤い領域がしっかり分かれており、立体感を感じさせます。
<HD53179>
この恒星から伸びる白い構造は、まるでアウトバーストを起こしているように見え、ダイナミックな印象を与えます。

Sh2-293、Sh2-295

中心の恒星から放射された紫外線を反射して輝く青白い星雲が特徴的。透明感のある美しさが目を引きます。

Sh2-294

三裂星雲を思わせる散光星雲。ここはもう少し露光を重ねて、コントラストを高めたいところです。

Sh2-297

オリオン大星雲のように、星形成が活発に進んでいるエリア。白飛びを防ぐための画像処理には少し苦労しましたが、その甲斐あって美しい仕上がりになりました。

おわりに

まだ写しきれていない銀河や微細構造がこの領域にはたくさんあります。今後は増し撮りや、ナローバンドフィルターを使った撮影で、このエリアのさらなる構造を詳しく観察してみたいと思います。

ただ、最近は天気があまり安定せず、次のチャンスがいつになるかは分かりません。それでも、必ずまた挑戦しますので、楽しみにお待ちください!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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